防爆構造電気機械器具の型式検定に合格した電動機の固定子巻線の巻き替えに係る取扱いについて(お知らせ)

平成30(2018)年1月

公益社団法人産業安全技術協会


はじめに

 爆発性雰囲気で使用される電動機は、関係法令に、当該機器が電気機械器具防爆構造規格(以下、「構造規格」という。)を具備していなければ譲渡し、貸与し、又は設置してはならないと規定されており(労働安全衛生法第42条)、また、労働安全衛生法第44条の2で、当該機器の製造時又は輸入時に、登録型式検定機関が行う防爆構造電気機械器具の型式検定を受け、合格しなければならないと定められています。このため、設置・使用している防爆構造の電動機に関し、経年劣化等による防爆性能の低下が懸念される場合には、労働安全衛生法第20条に基づき、部品の交換等による補修を行い、検定に合格した当初の防爆性能を維持するか、又は当該電動機を廃棄し、型式検定に合格した別の電動機に交換することが必要となります。

 当協会では、防爆構造の電動機の補修について防爆構造の電動機の製造者、ユーザー及び関係行政(以下、「防爆電動機関係者」という。)と情報・意見交換を重ねて参りましたが、今後、防爆構造の電動機については補修を検討しなければならないケースが大きく増える可能性があること、その一方で、防爆構造の電動機の補修への対応は、そのユーザーだけで対処することが容易でないことが明らかとなりました。このような中、経年劣化による性能の低下を原因とする防爆構造の電気機械器具による災害の発生が報告されていることもあり、産業災害の防止の観点から、防爆構造の電動機の補修の取扱いの明確化が必要となっています。

 当協会では、防爆電動機関係者からのご意見・ご要望を踏まえ、登録型式検定機関として現行の関係法令の下で対処可能な事項を検討した結果、防爆構造の電動機の補修のうち、最も実施される可能性が高く、対応が急がれる固定子巻線の巻き替えについては、下記のように取扱うことといたしました。

 なお、検討に当たりましては、型式検定に関する法令、所管官庁からの通達、事務連絡等の文書、(独)労働者健康安全機構 労働安全衛生総合研究所発行の技術指針等を参考としております。


1.対象となる補修の内容:防爆構造電気機械器具の型式検定に合格した電動機の固定子巻線の巻き替え(以下、「補修」という。)

2.補修に係る取扱い

(1)補修の対象となる電動機について、有効な型式検定合格証がある場合
  ① 当該電動機の製造者が補修を行う場合

 検定合格時の材料、部品、図面を用いて、電動機の補修を行うときは、原状復帰として取扱う(特段の事情、要請等がない限り、登録型式検定機関である当協会は関与しません。)。

  ② 当該電動機の製造者以外の者が補修を行う場合

 製造者以外の者が補修を行った電動機について、引き続き構造規格に適合することを明らかにするためには、新規に単品としての型式検定(以下、「単品検定」という。)の申請を行い、型式検定合格証を取得することが、現行の検定制度の枠組みにおいての唯一の方法となります。この場合、検定申請品は現行の検定の基準に適合しなければならないため、改造が必要となる場合があります。

 なお、補修を行う者が当該電動機の製造者以外であっても、製造者から補修を受託し、図面や部品の提供を受けるなど、製造者と緊密な連携を図りつつ原状復帰する場合は、上記①に該当します。


備考.単品検定では製造できる電動機の台数は1台だけであり、検定合格証には有効期間はありませんが、再度、補修を行う場合には、改めて単品検定として型式検定合格証を取得することが必要です。


(2)補修の対象となる電動機について、失効などにより有効な型式検定合格証がない場合

 有効な合格証がない場合、電動機の補修を行う者が製造者か否かに係らず、現行の検定制度においては、補修した電動機が構造規格に適合することを明確にする手段を失います。この場合、単品検定で型式検定合格証を取得するのが唯一の方法になります。


(3)上記(1)②又は(2)により補修を行う場合で、原状復帰できないか、または原状復帰が確認できないとき

 電動機は、原則として原状復帰によって補修することとなりますが、以下の場合、原状復帰としては取り扱うことができないため、現行の検定制度の枠組みにおいて、引き続き構造規格に適合させるためには、単品検定の申請をして型式検定合格証を取得する以外に方法はありません。

・検定合格時と異なる材料を用いた。

・検定合格時と性能は同等であるが異なる部品に交換した。

・検定合格時の図面が入手できなかったため、原状復帰できたかを確認することができなかった。

・何らかの理由で構造を変更する改造を行った部分がある。


3.当協会の対応
 上記の(1)②、(2)又は(3)に該当する場合、当協会では補修を行う者からの申請に基づき、単品検定による検定を行い、検定合格証を発行いたします。

 なお、本取扱いに関する詳細は、「防爆構造電気機械器具の型式検定に合格した電動機の固定子巻線の巻き替えに係る取扱いの詳細について」(pdf)をご確認ください。

 また、単品検定に関する代表的な質問とその回答は、「単品検定に関するQ&A」をご参照願います。