2020年 防爆電気機器初級講座~FAQ

2021年1月14日 更新

皆様からいただいたご質問とその回答

主要な防爆構造の基本概念、特徴  後藤 隆 講師

Q.チャプター:2.防爆関係法令等の体系  

防爆機器を使用しなければならない工場の危険区域はどのように決まるのか、または決めるのか。
か。

A.
労働安全衛生法、労働安全衛生規則から法令上、事業者が選定し、決定することになります。
なお、この中では使用する規格は定められておりません。
防爆機器を適用する危険場所については、
・JIS C 60079-10 爆発性雰囲気で使用する電気機械器具-第10部:危険区域の分類
・労働安全衛生総合研究所技術指針 JNIOSH-TR-No.44(2012) ユーザーのための工場防爆設備ガイド
をご参考として挙げます。(国際規格がベースになっています)
Q.C5.耐圧防爆構造の概要

スライド中「耐圧防爆構造に多い機器の種類」の例で\”レベルスイッチetc\”とあります。一方で、
講師田邉様の本質安全防爆構造の基本的な考え方のスライドpage22ではタンクの内部は特別危険箇所とされています。
耐圧防爆構造は特別危険箇所には非対応の防爆構造ですが、耐圧防爆型レベルスイッチはどのような
環境で使用される想定でしょうか。

A.
TIIS合格品において、対象のレベルスイッチが耐圧防爆構造で、例えばタンクで使用されるとしたら、タンク内が特別危険箇所(ゾーン0)とならないエリア・環境に使われると想定できます。
また、(センサプローブ部がタンク内、演算部・電気室がタンク外表面に配置されるとして)タンク内が特別危険箇所(ゾーン0)の場合、センサプローブ部が本質安全防爆構造(ia, EPL Ga)、演算部・電気室の部分が耐圧防爆構造とする、防爆構造を組合せた機器なども想定できます

本質安全防爆構造の基本的な考え方・原理 田邊 薫秋 講師

Q.システム検定の接続条件 

page32での機器検定のメリットの説明の最後に、「システム検定でなければ受け入れることが
できない本安関連機器や本安機器の構成もある」とのことでした。
そのような構成とはどういったものなのか、もう少し具体的に教えていただけないでしょうか。

A.機器検定は「防爆構造電気機械器具型式検定申請の手引き(本質安全防爆構造補足)」の
「2.3.1 機器検定一般」の(2)に示されるとおり、
「1台の本安関連機器」と「1台の本安機器」を接続した構成で使用することが前提となります。

そのため同手引きの「2.3.1 機器検定一般」の(3), (4)などに示されるように、
・複数台の本安関連機器と1台の本安機器の組み合わせ
・1台の本安関連機器と複数台の本安機器の組み合わせ
で使用する構成の場合は原則的にシステム検定での申請が必要です。

Q.チャプター2 Page34
 

Ex指針の本質安全防爆構造の表示についての質問です。
製品として使用条件がある場合、EPL記号の右横に「X」を付けるのでしょうか。
それとも、表示に「X」は付けずに、型式検定合格番号の末尾に「X」が付くことで、
製品に使用条件があるとして、判断するのでしょうか。

A.国内検定では後者の通り、防爆記号末尾に「X」を付与するのではなく、
検定合格標章に示す型式検定合格番号の末尾に「X」を付与することで
特定の使用条件があることを示します。

輸入申請時の留意点 田邊 薫秋 講師

Q.PPTの9ページ目「輸入品の国内検定の評価方法」において、
IEC Ex/ATEXの試験レポートに評価漏れがあった場合、あるいはEx2015およびEx2018と整合する規格と版が
異なる場合、貴協会にて不足分の試験および評価を実施頂けるとあります。
IEC Ex/ATEXの認証を受けている海外製品を貴協会で申請した場合でかつ仮に申請者が弊社の場合、
弊社にて不足している試験の実施や、Ex2015およびEx2018に準拠した版が古かった場合、海外製造者に
Ex2015およびEx2018に準拠した版まで更新するよう要求するなどをおこなう必要がないということでしょうか。
A.基本的に、IECEx/ATEX認証の不足分や差分の評価・試験を当協会で行い、
適合となった場合には特に追加の書類提出などの対応は要求しません。

なお、IECEx/ATEXの差分や不足の内容によっては、
海外製造者や認証機関に追加対応を行ってもらうこともありますので、
その点はご留意願います。

また、当協会で評価・試験に不適合となった場合や、
何らかの理由(試験サンプルを用意できないなど)で当協会で評価・試験が不可能の場合は、
原則IECEx/ATEX認証からやり直していただく必要があります。

なお、この運用は恒久的な運用ではありません。
今後運用が変更される可能性もありますので、あらかじめご了承願います。
Q.Page30「輸入品の検定不合格の事例」について。

IECEx/ATEX認証を受けた輸入品でも、TIIS殿で追加試験をし、不適合が見つかった場合、
IECEx/ATEX認証からやり直しとあります。
(1)適合品とするため設計変更が必要となるため、再度いちから認証やり直しが必要となるため、
   IECEx/ATEX認証からやり直しと記されているのでしょうか。
(2)適合品とするため設計変更を行ってもらい、TIIS認証からやり直しでも可能でしょうか。
A.(1)原則的な考え方はその通りです。
(2)変更後の設計仕様でのIECEx/ATEX認証結果(CoCやTRなど)を
   あらかじめ行った試験の結果として提出してもらう必要があるので、
   原則的にIECEx/ATEXの評価をやり直してから国内検定に申請していただく必要があります。
   なお、TIISで発行可能なIECExやpatialレポートをあらかじめ行った試験の結果として提出することも可能です。
Q.Page7 Ex指針について

Ex指針として、Ex2015、Ex2018が発行されていますが、
(参考:産業安全技術協会編集資料
(1)近日、「第6編 本質安全防爆構造」に関してもEx2018が発行されるのでしょうか。
(2)Ex指針は3年ごとに見直しされ、発行されるものなのでしょうか。
A.(1)近日中に発行されるかどうかは当協会では分かりかねます。
   指針は関連するIEC規格の内容に基づいて作成されているため、
   本安のIEC規格(IEC60079-11)が改版された際に、指針も改版される可能性があります。
(2)指針の見直しの周期が決まっているかについて当協会では分かりかねます。

各指針に関しては、労働安全衛生総合研究所が発行している文書のため、
上記研究所へお問い合わせいただきますようお願いいたします。