お知らせ

【訃報】松村芳美 産業安全技術協会フェロー

 当協会フェロー松村芳美氏におかれては、2023年12月18日、膵尾部癌のため逝去されました(享年87歳)。ここに生前のご功績を偲び、謹んで哀悼の意を表します。

 同氏は1959年に労働省労働衛生研究所(現(独)労働者健康安全機構 労働安全衛生総合研究所。以下、安衛研)に入所し、労働環境の化学的有害因子を対象とした測定法、環境改善技術、呼吸保護のための基礎研究と実用研究、及び吸着化学の基礎研究として炭素系吸着剤を対象とした吸着特性の測定、表面官能基の定量的分析法の開発・表面官能基とガス吸着特性の関係、活性炭表面の酸化改善による新しい吸着剤の生成法等に取り組まれ、多大の業績を挙げられました。

 労働環境研究部長を最後に安衛研を定年退職後、1997年から活躍の場を当協会に移し、呼吸用保護具の構造規格改正並びに国家検定業務の民営化の準備に着手され、その結果、2000年に当協会が防じんマスク及び防毒マスクの型式検定に関する労働大臣の指定機関となり、検定業務を開始することとなりました。また、並行して「呼吸用保護具の性能の確保のための買取り試験」の実施にも尽力され、信頼できる呼吸用保護具の供給体制の確保に貢献されました。

 その他にも、長年にわたって呼吸用保護具関係の日本規格(JIS)及び国際規格(ISO)の制定及び改正にも主導的立場で取り組まれました。

 これらの業績に対して、日本吸着学会より学術賞、国際呼吸保護学会よりReVoir賞を授与されるなど、国内外で多数表彰されておられます。

 同氏の学術面及び呼吸用保護具普及面でのご功績を讃えるとともに、衷心よりご冥福をお祈りいたします。

松村芳美フェロー