マスクに関するよくあるご質問
マスクに関するよくあるご質問
1. 型式検定と依頼試験に関する事項について
- Q.防じんマスクの型式検定について教えてください。
- A.産業用途の防じんマスクは労働安全衛生法によって販売・譲渡が制限されています。型式検定は、労働安全衛生法で指定された防じんマスクなどの検定対象品目に対し、機械等検定規則に則って検定し、合格証を交付する制度です。合格した型式は、型式として製造されるすべての製品に、国家検定に合格したことを証する型式検定合格標章を表示して販売・譲渡することが可能となります。型式検定合格標章の表示をしていないものは法律に基づく検定対象品目として、販売・譲渡することができません。ただし、産業用途ではなく、一般用、風邪花粉用、園芸用などと記載してマスクを販売することは労働安全衛生法の対象外であり、これによる制限はありません。 型式検定は、申請時に提出した書類、及びサンプルの試験によって行われます。 型式検定では、労働安全衛生法で定められた防じんマスクの規格を満たす性能を有することを確認するため試験を行います。また、型式としての登録を行いますので、図面、製造設備、検査設備、工作責任者、検査組織、検査規定、及びあらかじめ行った試験の結果などの書類を申請時に提出いただきます。法律で定められた検査を申請者が自ら検査できる状態であることを記載いただきます。(一部、外部試験が可能な試験項目もあります。) また、検査設備については、設置場所で定められた試験条件での試験が可能かどうか、所在地審査を受ける必要があります。 検定申請書の受理から合格証発行までの期間はおよそ2か月です。 検定の申請方法に関する詳細については当協会ホームページ、申請の手引き「防じんマスク・防毒マスク・電動ファン付き呼吸用保護具の型式検定申請の手引き」をご覧ください。
- Q.耳掛け式のマスクは型式検定に申請できますか
- A.耳掛け式のマスクは顔面への密着性が十分に確保できないことから、防じんマスクとしての申請はお受けできません。後頭部で固定する構造であることが必要です。
- Q.型式検定と依頼試験の違いを教えてください。
- A.型式検定を申請し合格すると合格証が発行されます。合格した型式ついては製造されるすべての製品にDS2など、型式検定合格標章を表示して販売できるようになります。 依頼試験は、労働安全衛生法と関係なく希望する試験項目、試験数に対して試験を実施し性能試験結果報告書を発行するものです。検定と同じ試験項目を行うことができますが、性能の良否によって型式検定合格証を発行するものでありません。 依頼申請書受理、試験実施から性能試験結果報告書の発行までの期間はおよそ2週間です。詳しくは当協会ホームページ、性能及び評価試験の手引きをご覧ください。
2. マスクの種類に関する事項について
- Q.一般マスク、医療用マスク(サージカルマスク)、産業用マスク(DS2等)はどのような違いがありますか。
- A.一般マスクには、ガーゼマスクや不織布マスク等があります。口と鼻を覆い、花粉、ほこりなどの粉じんからの吸入を防止します。咳やくしゃみの飛沫の飛散を防ぐことを目的に使用され、薬事法に該当しない衛生用製品です。 医療用マスク(サージカルマスク)は医療現場や医療用に使用するマスクです。一般的にBFE試験、PFE試験で95%以上の高い捕集効率を有し感染予防用として使用されているマスクです。 産業用マスクは、DS2やN95と呼ばれているマスクで、日本の国家検定規格や米国労働安全衛生研究所(NIOSH:National Institute of Occupational Safety Health)規格に合格した高性能な微粒子用マスクです。日本で産業用として使用する時には米国規格のN95マスクではなくDS2などの日本の検定合格品を使用しなければなりません。 また、DS2やN95マスクは高い粒子捕集効率を有するマスクであることから、医療施設での感染症対策を目的としたマスクとして、使用を推奨される場合があります。 ※防じんマスクの検定について、日本では公益社団法人 産業安全技術協会が登録検定機関として厚生労働省に登録し、型式検定を行っています。
- Q.DS2マスク、N95マスク、FFP2マスクは何が違うのですか。
- A.N95は米国労働安全衛生研究所(NIOSH)が定めたNIOSH規格に適合したマスクです。Nシリーズは個体粒子に、PシリーズおよびRシリーズはオイルミストの存在する環境にも使用できます。捕集効率では、95は捕集効率95%以上、99は捕集効率99%以上、100は捕集効率99.97%以上の性能を有するマスクです。 DS2は日本の厚生労働省が定めた国家検定規格に適合したマスクで、米国規格のN95に相当するものとして一般に認識されています。 FFP2はヨーロッパが定めたEN規格に適合したマスクで、米国規格のN95、日本の防じんマスクのDS2に相当するものとして一般に認識されています。
3. 依頼試験の手続きに関する事項について
- Q.性能試験を依頼する時はどのように申し込めばよろしいですか
- A.当協会のホームページから性能及び評価試験の手引きにある様式1をダウンロードし依頼申請書を作成して申込みください。
- Q.試験結果報告書発行までの手続きを教えてください。
- A.依頼申請書に必要事項を記載した依頼申請書とサンプルを当協会にお送りください。依頼申請書の記載とサンプル品を確認し試験可能であれば依頼試験を受理致します。依頼状況によりますが、準備等を要しない試験は受理後、1週間程度で行います。試験終了後、試験結果を取り急ぎ知りたい場合は試験結果のみメールにて速報でお伝えすることが可能です。試験結果報告書と請求書の発行は、試験実施後2~3週間程度時間を頂いています。
- Q.依頼申請書の記載方法を教えてください。
- A.1.2)項目及び細目は、別表1 依頼事項の区分「性能及び評価試験」の項目及び細目に合わせて記載してください。1.3)規格・基準名・細目の内容は、別表1の試験項目・試験の概要の依頼試験項目を記載ください。2.依頼申請提出品の名称・点数は、報告書に記載する試験サンプルの名称と、依頼試験の項目に対する回数を記載ください。
- Q.依頼申請書はどのように送付すればよいですか。
- A.依頼申請書は、郵送、メールによる電子媒体のどちらでも受付を致します。
- Q.依頼申請書はサンプルと同梱で良いですか
- A.依頼申請書は、サンプルと同梱でも構いません。試験終了後のサンプルは着払いにて返却させて頂きます。
- Q.試験回数は何回すればよいですか。
- A.依頼試験はお客様のご希望の数でお受けします。取りあえずサンプルの性能確認をしたいと考えられているのであればn=1、特定の基準値に対する品質のバラツキを踏まえて確認したいと考えられているのであればn=3以上を行うことが一般的です。
- Q.サンプル数は何個用意すれば良いですか。
- A.依頼試験は依頼する試験数のサンプル数をご準備ください。但し、予備として1~2個多めに準備して頂けると試験の不備等による再試験等の対応ができますので助かります。
- Q.試験を立会にて確認することができますか。
- A.立会による試験は可能です。但し、諸事情に応じてお断りする場合があります。
- Q.依頼試験の支払い方法を教えてください。
- A.依頼試験は、試験終了後、請求書を郵送させて頂きますので指定の銀行へお振込みをお願い致します。
- Q.試験費用はどの位かかりますか。
- A.ご希望の試験項目について、別表1でご確認いただき、お問い合わせのページからお見積もりをご希望の旨、ご連絡ください。追って見積書をお送りいたします。
- Q.サンプルはどこに発送すればよいですか。
- A.公益社団法人産業安全技術協会 試験認証部 呼吸用保護具担当宛にお送りください。
- Q.依頼試験の見積り書を発行して頂けますか。
- A.ご希望の試験項目について、別表1でご確認いただき、お問い合わせのページからお見積もりをご希望の旨、ご連絡ください。
ご連絡の際は、試験項目と試験数をお知らせください。追って見積書をお送りいたします。
- Q.英語の試験成績書を発行して頂けますか。
- A.英語版試験成績書を発行いたしますが、別途手数料が発生いたします。改めて依頼申請をしてください。
4. 依頼試験の依頼に関する事項について
- Q.性能試験ではどのような試験項目が可能ですか。
- A.性能及び評価試験の手引き 別表1 依頼事項の区分「性能及び評価試験」にある試験項目であれば依頼試験をお受けすることができます。
- Q.試験条件を教えてください。
- A.標準的な試験は国家検定の構造規格に準じた条件で試験を行います。使用機器は試験結果報告書に記載いたしますので発行する試験結果報告書にてご確認ください。特別な条件での試験をご希望の場合はご相談ください。
- Q.マスクやシート状サンプル(不織布、フィルター)等の試験可能なサンプル形状を教えてください。
- A.通常は、マスク製品、シート状サンプルどちらでも試験が可能です。サンプルの形状によって接続が難しい場合は、試験器に接続する試験用治具、中間アタッチメントを準備して頂く場合があります。シート状サンプルは20cm×20cm以上の大きさのシートを提出してください。試験は有効ろ過面積100cm2での評価となります。その他、特殊形状等についてはご相談ください。
- Q.0.3μm粒子に対する捕集効率の評価が出来ますか。
- A.捕集効率試験のNaClの粒子径は、個数基準で中央径0.06~0.1μmです。0.3μm粒子に対する評価はできません。個数基準と質量基準では粒子径の数字で変わりますのでご確認いただくことをお勧めいたします。
- Q.希望する粒子・粒径で捕集効率試験ができますか。
- A.希望される粒子・粒径に対する試験は応じることができません。国家検定に準じた試験粒子としてNaCl粒子(中央値0.06~0.1μm)、またはDOP粒子(中央値0.15~0.25μm)に対する捕集効率試験が可能です。
- Q.DS2(N95相当又はDS2相当)の性能は何を確認すればよいですか。
- A.DS2マスクは国家検定の構造規格で捕集効率(負荷試験)、吸気抵抗、排気抵抗、排気弁の作動気密、二酸化炭素濃度上昇値、しめひもの取付部及びしめひもの強度について規格値が定められています。また、上記の試験以外にも取扱説明書に記載義務のある試験項目として吸気抵抗上昇値、漏れ率、ぬれ抵抗値があります。防じんマスク、プリーツマスク等の依頼試験では、メインの性能となる捕集効率(負荷試験)と吸気抵抗をご依頼されるケースが一般的です。
- Q.KN95マスクをDS2基準で性能評価できますか。
- A.国家検定規格(DS2)に準じてKN95マスクを試験することができます。
- Q.N95マスク(NIOSH基準)の性能試験は出来ますか。
- A.N95の試験はできません。国家検定規格(DS2)に準じた試験ができます。
- Q.一般マスク、布マスク、サージカルマスクの性能試験ができますか。
- A.国家検定規格の準じた試験であれば、一般に市販されているマスクのほとんどの種類を試験することが可能です。
- Q.期限切れマスクの評価ができますか。
- A.依頼試験には制限がありませんので、期限切れマスクや試作品マスクなどどのようなものでも試験をお受けいたします。
- Q.BFE、VFE、PFE、耐浸透性、難燃性試験が出来ますか。
- A.BFE、VFE、PFE、耐浸透性、難燃性試験は実施しておりません。
5. 依頼試験の試験項目に関する事項ついて
- Q.捕集効率試験はどのような試験ですか。
- A.捕集効率試験は、塩化ナトリウム等の試験粒子を含む空気をマスクやフィルターに通気して、粒子を捕集する割合(%)を測定する試験です。【依頼試験は、別表1 依頼事項の区分「性能及び評価試験」の(2)B-2 5)を指定してください。】
- Q.吸気抵抗試験はどのような試験ですか。
- A.吸気抵抗試験は、息を吸う方向の空気に対するマスクやフィルターの抵抗を測定する試験です。値が小さいほど呼吸が楽になります。【依頼試験は、別表1 依頼事項の区分「性能及び評価試験」の(2)B-1 3)を指定してください。】
- Q.排気抵抗試験はどのような試験ですか。
- A.排気抵抗試験は、息を吐く方向の空気に対するマスクやフィルターの抵抗を測定する試験です。値が小さいほど呼吸が楽になります。【依頼試験は、別表1 依頼事項の区分「性能及び評価試験」の(2)B-1 4)を指定してください。】
- Q.排気弁の作動気密試験はどのような試験ですか。
- A.排気弁の作動気密試験は排気弁が付いているマスクについて、排気弁の気密性能を測定する試験です。値が大きいほど気密保持能力に優れています。【依頼試験は、別表1 依 頼事項の区分「性能及び評価試験」の(2)B-1 2)を指定してください。】
- Q.二酸化炭素濃度上昇値試験はどのような試験ですか。
- A.二酸化炭素濃度上昇値試験は、マスクで口辺及び鼻を覆った時にできるマスクと顔の隙間の内容積を測定する試験です。値が小さいほど、吐いた息を再び吸う量が少なくなり、二酸化炭素濃度の上昇を軽減します。【依頼試験は、別表1 依頼事項の区分「性能及び評価試験」の(2)B-1 1)を指定してください。】
- Q.しめひもの取付部及びしめひもの強度試験はどのような試験ですか。
- A.しめひもの取付部及びしめひもの強度試験は、しめひもと取付部の強度を測定する試験です。マスク装着時に容易に破損しないかを確認します。【依頼試験は、別表1 依頼事項の区分「性能及び評価試験」の(2)B-1 5)を指定してください。】
- Q.吸気抵抗上昇値試験はどのような試験ですか。
- A.吸気抵抗上昇値試験は、マスクまたはフィルターに粒子が付着することにより生じる抵抗の上昇を測定する試験です。値が小さいほど粉じんによる目詰まりが遅くなり、長い時間呼吸が楽であると言えます。但し、捕集効率の低いマスクまたはフィルターについても値が小さくなります。
- Q.漏れ率試験はどのような試験ですか。
- A.漏れ率試験はマスクと顔面とのフィット(密着)性を測定する試験です。粒子を含む部屋の中でマスクを着用し、粒子がマスクと顔の隙間から漏れ込む量を測定します。試験を依頼する際には被験者によるマンテストになりますのでサンプル品のほかに被験者を準備していただく必要があります。値が小さいほどフィットに優れています。
- Q.ぬれ抵抗値試験はどのような試験ですか。
- A.ぬれ抵抗値試験はフィルターの撥水性をみる試験です。値が小さいほど蒸気によるフィルターの濡れを防ぎ、呼吸が楽にできます。
6. 依頼試験報告書に関する事項について
- Q.性能試験結果報告書の試験結果はどのような見方をすれば良いですか。
- A.マスクの試験結果であれば国家検定規格の規格値と対比するとサンプルの良し悪しの参考となりますので、国家検定規格をご参照ください。
- Q.粒子捕集効率試験(負荷試験)結果に初期値と最低値が記載されていますが違いを教えてください。
- A.国家検定規格における粒子捕集効率試験(負荷試験)の判定基準は、NaCl粒子に対して100mg供給時までの間における最低捕集効率がそのマスクの捕集性能となり合否の判定する上での数値となります。初期値は試験開始時の性能で初期に有している性能の数値となります。フィルターには粒子を供給するに伴い性能が低下していくものや上昇していくものなどフィルター性質によって特有の現象が現れます。
- Q.依頼試験結果からDS2相当の捕集効率が確認されれば、商品にDS2相当と表示して良いですか。
- A.依頼試験結果からDS2相当の捕集効率が確認されてもDS2相当と表示することはできません。検定で合格する必要があります。
- Q.NaClに対する捕集効率が95%以上であれば0.3μm粒子に対して95%以上の捕集効率であると考えて良いですか
- A.国家検定の構造規格に準じた条件NaCl粒子に対する捕集効率試験は、中央値0.06~0.1μmの粒径を用いて捕集効率を評価しています。0.3μm粒子に対する評価ではありませんので同様の性能を有していると言えません。
7. 検定申請型式に関する事項について
- Q.N95マスクの検定申請ができますか。
- A.N95はアメリカの国立労働安全衛生研究所(NIOSH)によって検定がおこなわれていますのでアメリカの国立労働安全衛生研究所(NIOSH)に申請してください。
- Q.サージカルマスクの検定申請ができますか。
- A.当協会は安全衛生法の機械等検定規則の基づく国家検定規則に沿って防じんマスク、防毒マスク及び電動ファン付き呼吸用保護具の検定を実施しています。国家検定規則の範囲にはサージカルマスクに対する規程が設定されていません。
- Q.耳掛け式マスクは検定申請できますか。
- A.耳掛け式使い捨て式マスクは、顔面との圧着度が弱いため装着時にズレ等が生じ密着保持が維持できなくなる恐れがあることから耳掛け式の形状は防じんマスクとして認められていません。
8. 検定申請手続きに関する事項について
- Q.検定申請の手続き方法を教えてください。
- A.当協会ホームページの検定申請の手引きをご覧ください。
- Q.検定申請を行うために何を準備すればよろしいでしょうか。
- A.当協会ホームページの検定申請の手引きを参照し準備を行って下さい。 第1段階として、概要書と呼んでいます製造設備及び検査設備、工作責任者、検査組織及び検査規程が規定に適合し整備されていることを確認してください。
- Q.検定申請から合格までの処理日数はどの位ですか。
- A.検定申請受理から合格証の発行まで凡そ2か月程度となります。但し、確認されていない製造設備及び検査設備を登録する場合には所在地審査が発生いたしますので、合格証の発行までの期間が多少延びることがあります。
- Q.諸費用(手数料)はどの位かかりますか。
- A.次のリンクをご参照ください。 検定等の手数料一覧。所在地審査が発生する場合は、所在地審査手数料、所在地審のための出張費が加算されます。
- Q.サンプル数は何個準備すれば良いですか。
- A.当協会ホームページの検定申請の手引きをご覧ください。
- Q.概要書は何を記載すれば良いですか。
- A.当協会ホームページの検定申請の手引きをご覧ください。
9. 検定試験に関する事項について
- Q.検定時の検査結果を発行して頂けないでしょうか。
- A.検定試験で得られた情報については公表しておりません。諸事情により検定時の検査結果が必要になった場合はご相談ください。
- Q.DS2検定合格品にN95の表示ができますか。
- A.N95は米国労働安全衛生研究所(NIOSH)が定めたNIOSH規格です。N95を表示するためにはNIOSHに検定申請をする必要があります。当協会の型式検定は日本の国家検定規格に準じて実施しています。
上記に記載がございませんでしたら、下記よりお問い合わせください。